人の顔を見ると、しわの数や肌の張り具合など、様々な部分からある程度年齢を測ることができるという方は多いでしょう。
目元もまた外見年齢に影響する部分です。目がぱっちりしている、いわゆる目力が強い方は若く見えます。一方、目がとろんとしている、目力が弱い方は高齢に見えてしまいます。
目力が衰える原因としてメジャーなのは加齢によるものですが、他にはコンタクトレンズが関係していることも判明しています。
眼瞼下垂(がんけんかすい)という言葉があります。上まぶたが下がった状態のことです。目力が弱くなり、実年齢よりも高齢に見られやすくなります。
日本頭蓋顎顔面外科学会によると、眼瞼下垂の原因にはコンタクトレンズも含まれるそうです。レンズを外す時に上まぶたを外側に引っ張ることで、瞼の形を維持する瞼板(けんばん)と、瞼を開閉させる眼瞼挙筋(がんけんきょきん)を繋ぐ挙筋腱膜(きょきんけんまく)が緩むためです。
眼瞼下垂はハードコンタクトレンズを使う方に多いですが、オランダで実施された研究によると、ソフトタイプを使う方も同様の状態になることが確認されています。また、ソフトタイプの場合、アレルギー性結膜炎が原因になることもあるそうです。
眼瞼下垂になると目力が衰えるだけではなく、額の皺も増えます。これも外見年齢が実年齢よりも年上に見える原因になります。
万が一眼瞼下垂になってしまったとしても、手術によって治療はできます。しかし、時間や費用の面で負担がかかり、心理的なストレスも大きいです。コンタクトレンズの使い方を見直し、予防するようにしましょう。
ハードコンタクトレンズを使っている方は、レンズを外す際に専用のスポイトを使うことが勧められます。これにより、上まぶたを引っ張らずにレンズを外すことができます。ソフトタイプに変えることも対策のうちの1つです。
ソフトコンタクトレンズを使っている方は、なるべく下まぶたを引っ張り、レンズを外すようにしましょう。アレルギー性結膜炎にならないよう、常に清潔なレンズを使うように心がけることも大切です。外したレンズは毎日しっかりとこすり洗いでケアをしましょう。可能ならばワンデー製品を使うことをおすすめします。
このように、使い方に気を付ければ若々しい外見を維持したままコンタクトレンズを使い続けることができます。意識してみましょう。
眼瞼下垂の原因は普段の生活にも隠れています。
例えば、現代人はスマートフォンやパソコンのような液晶画面を注視する機会が多くあります。実は、これは眼瞼挙筋に負担をかける行為と言われています。長く液晶画面を見続けることで眼瞼挙筋が緊張し、眼瞼下垂になる可能性を高めてしまいます。適度に目を休め、筋肉の緊張を和らげることが大切です。
女性の方は、まつげをカールさせるビューラーの使い方にも気を付けましょう。ビューラーでまつげを挟み、強い力でカールさせようとすると、コンタクトレンズを外す時と同様にまぶたが引っ張られます。眼瞼下垂の原因になるため、力を入れ過ぎないようにしてください。