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スマホで視力が低下する理由を解説。正しい使い方で視力低下のリスクを下げましょう


公開日:2020/11/02
最終更新日:2020/10/28

近年、スマートフォンを使用するユーザーが増加しています。同時に、スマートフォンが原因で視力が低下したと思われる方も増えています。

文部科学省が令和2年3月23日に公表した「学校保健統計調査報告書」によると、令和元年度の満5歳から17歳までの子どものうち、裸眼の視力が0.1未満の子どもが過去最多だったそうです。

現在、文部科学省は視力の低下と生活習慣との相関関係を調査している最中ですが、原因の1つとして、スマートフォンを使用する時間が増加したことが影響していると考えています。

スマホを使う女の子の画像

視力が低下する仕組み

視力に問題がない状態を「正裸眼」と言うのに対して、視力が低下した状態を「近視」と言います。

人は、目に入る光がきちんと網膜上に集まった時、つまり網膜上で焦点が結ばれた時にはっきりと物を見ることができます。いわゆる「ピントが合っている」状態です。しかし、近視の場合、網膜の手前で焦点が結ばれてしまうため、遠くの物を見る時にピントが合わず、物がぼやけて見えます。これが一般的に「目が悪い」と言われる状態です。

近視の見え方イメージ

正裸眼の方と近視の方の違いは、「眼軸長」と呼ばれる角膜から網膜までの眼球の長さです。正裸眼の方に比べて、近視の方は眼軸長が長く、そのせいで遠くの物を見る時に網膜上で焦点が結ばれにくく、ピントが合いにくいと言われています。そして、眼軸長は生活の中で伸びることがあるため、元々正裸眼だった方も近視になります。

眼軸長は、20代後半まで伸び続ける可能性があります。中でも、10代までの子どもはとても伸びやすいと考えられています。

スマホの使用で視力が低下するのはなぜ?

では、なぜスマートフォンの使用で近視になるのでしょうか?

人は、近くの物を見る時は目の筋肉を強く働かせる必要があります。無理やりピントを合わせるように調節している状態と言えます。長い間近くにある物を見続けると、無理にピント合わせをしている状態が普通になり、順応するように眼軸長が伸びます

スマートフォンは画面が小さいためか、多くの方が使用する際に、他のデジタル機器と比べても至近距離で画面を見がちです。また、長時間画面を見続けるケースも多いため、眼軸長が伸びて近視になりやすいと考えられています。このことから、眼軸長が伸びる可能性がある20代後半までの方は、特にスマートフォンの使い方に気を付けなければなりません。

文字が小さいスマホ画面の画像イメージ

近視のリスクを減らすスマの使い方

近くを見続けること」が近視の原因になるのであって、「スマートフォンを使用すること」で必ずしも近視になるわけではありません。正しい使い方をすれば近視になるリスクは減らせます

使用の際に注意する点は「顔と画面の距離」と「連続使用時間」の2点です。

■顔と画面の距離

ピント合わせの際にかかる目への負担を軽減するために、顔と画面の距離は30cm程度離すことが理想です。画面を離すと見づらいという方は、遠距離からでも画面が見えるように、文字サイズや画面の明るさを調整しましょう

■連続使用時間

無理にピント合わせをしている状態が普通にならないよう、連続して使用する時間を1時間以内に収め、合間に10分程度の休憩を挟みましょう。休憩の最中は、遠くの景色を見たりまぶたを閉じたりして、目に負担がかからないようにしてください。

スマホを正しく使う女性

スマートフォンは、大変便利なデジタル機器です。きちんと顔と画面の距離を離し、こまめに休憩を挟みつつ使用すれば急に近視になるわけではありません。安心して使ってください。

正しい使い方をしているにも関わらず急に近視になった場合、白内障のような目の病気が考えられます。そうではない場合も、近視になったならばメガネやコンタクトレンズを購入するために正しい度数を知る必要があります。視力に問題があると感じたら、必ず眼科に行って検査を受けてください



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