一般的に、コンタクトというと、日中に使って夜には外すソフトレンズやハードレンズを思い浮かべる方がほとんどです。しかし、これらとはまた異なる「オルソケラトロジーレンズ」というコンタクトもあります。寝ている間に視力を矯正できる、画期的な医療機器です。
オルソケラトロジーは、専用のレンズを使い、就寝中に近視を矯正する近視矯正法のことです。この時使う専用のレンズは、特殊なデザインで作られている「オルソケラトロジーレンズ」です。就寝中に装用することで、寝ている間に角膜の形が変化するので、起きた頃には裸眼の状態で、ものや景色をはっきりと見ることができるようになっています。最初の頃は効果が現れにくいですが、装用から3~4日程度経つ頃には、見え方が安定します。
専用レンズの取り扱い方法はハードレンズに近いです。外した後はケアをして保管し、2~3年が経過したら交換します。
角膜の形の変化は一時的なもので、装用をやめると、角膜は元の状態に戻ります。このため、毎日効果を得るには継続的に使用する必要があります。ただし、毎日装用するべきか、あるいは数日に一度装用すれば問題ないかは人によって異なります。眼科医の指示に従って使用しましょう。
オルソケラトロジーの治療には、近視の進行を抑制する効果もあります。このことから最近は、成長期の子どもがオルソケラトロジーの治療を受けるケースが増えています。
また、オルソケラトロジーの治療には近視だけではなく、軽度の乱視を矯正する効果もあります。
“オルソケラトロジーとは就寝時に特殊なハードコンタクトレンズを装用することで角膜の形状を変え、近視・乱視を矯正する治療です。”
(オルソケラトロジー|日南こみぞ眼科より引用)
最近は乱視を矯正できるコンタクトが増えていますが、例えばカラーコンタクトは、まだ乱視を矯正できる商品がそれほどありません。寝ている間に乱視を矯正しておくと、日中に乱視用ではないカラコンを使用してもクリアな見え方になります。
オルソケラトロジーレンズを使用する前には、必ず眼科医による適正検査を受けなければなりません。使用が認められれば、その人の目に合ったレンズが処方されます。処方された後は、決められたタイミングで検査を受けます。一般的な検査のタイミングは、装用開始日の翌日と1週間後、2週間後、1ヶ月後の4回です。ただし、その後も3ヶ月ごとの定期検査を受ける必要があります。
オルソケラトロジー治療は自由診療です。保険が適用されないので、ご注意ください。眼科によりますが、費用はおよそ15~20万円です。ただし医療費控除の対象にはなりますので、条件を満たしている方は、控除の手続きすることをおすすめします。
また、すべての方が治療を受けられるわけではありません。医師の判断により、治療不可と判断される場合もあります。治療ができない方の例としては、強度近視や強度遠視の方が該当します。強度近視や強度遠視の方は、日中に装用する商品を使用しましょう。
■デイリーズアクアコンフォートプラス
「トリプル モイスチャー テクノロジー」でうるおい感を高めた、1dayタイプの商品です。みずみずしく、心地よい装用感が特徴です。度数は-0.50〜-6.00(0.25ステップ)、-6.50〜-15.00(0.50ステップ)の範囲で用意されています。
■バイオフィニティXR
「うるおいベール」で汚れの付着を軽減した、2weekタイプの商品です。汚れを落とすのも簡単なので、14日間ストレスなく使えます。度数は+8.50 ~+15.00(0.50ステップ)、-12.50~-20.00(0.50ステップ)の範囲で用意されています。
どちらの商品も通販ショップで取り扱いがあります。処方箋不要のショップが多いので、手軽に買いたい方は、通販ショップの利用がおすすめです。ただし、発送や到着までに日数がかかる場合があります。発送予定日や到着予定日を確認しておくと安心です。