太陽が放っている光には、目に見える可視光線と、目に見えない赤外線、紫外線があります。このうち、紫外線は健康に悪影響を及ぼす光として知られており、例えば、皮膚がんを発症するリスクを高めます。また、シミやシワの原因にもなります。
紫外線は波長の違う、A波、B波、C波の3種類に分かれます、このうち、地表に届き、人体に影響があると言われているのが、A波とB波です。
A波はエネルギーこそ弱いものの、波長が長いため、より肌の深いところまで到達します。そして、じわじわと継続的にダメージを与え、シミやシワの原因になるのだそうです。
B波の方が地表に到達する量は少ないですが、エネルギーが強く、より人体に有害な影響があると言われています。
そのため、どちらか片方を防ぐのではなく、
A波B波両方の対策が必要になります。
紫外線のピークは、5月~8月だそう。暑さのピークとズレているので、5月、6月は対策をしていなかった、という方も多いのではないでしょうか?ピークは5月~8月ですが、ピーク以外の時期や、曇りの日にも降り注いでいるそうです。そのため、1年を通して紫外線の対策をすることが大切になります。
紫外線は、体の健康や肌だけではなく、目にとっても有害です。環境省の『紫外線環境保健マニュアル2020』によると、紫外線を浴び続けることは紫外線角膜炎、白内障、翼状片という3つの目のトラブルに陥るリスクを高めるという研究の結果があるそうです。
【1.紫外線角膜炎(しがいせんかくまくえん)】
紫外線が原因で角膜が傷つき、炎症している状態です。雪目(ゆきめ)とも呼ばれます。比較的早くに症状が現れる急性のトラブルです。自覚症状としては、白目の充血や異物感、目の痛みが挙げられます。通常、24~48時間で自然に治ります。
【2.白内障(はくないしょう)】
レンズの役割を持つ水晶体が白く濁ります。自覚症状としては、視力が低下し、ものが見えづらくなることが挙げられます。進行すると失明する可能性もある恐ろしい病気です。
白内障の原因は複数あり、その1つに紫外線が該当します。紫外線を浴びてすぐに発症するわけではなく、ダメージの蓄積によって発症する慢性のトラブルです。
【3.翼状片(よくじょうへん)】
結膜(白目)に角膜(黒目)が侵入する眼病です。自覚症状としては、乱視が強くなり、ものの見え方に影響が及ぶことが挙げられます。治療するためには手術が必要ですが、2~7%の方は再発すると言われています。白内障と同じく、紫外線のダメージが蓄積することで発症する慢性のトラブルです。
以上のトラブルを防ぐために、目にも紫外線対策をする必要があります。
目に入る紫外線の量を減らす方法は3種類あります。
【1.UVカット機能がついたコンタクトレンズを使う】
クリアレンズ、カラーコンタクトレンズともに、製品によっては目への紫外線ダメージを軽減するUVカット機能がついています。例えば、ジョンソン・エンド・ジョンソンのUVカット機能がついたコンタクトレンズ「ワンデーアキュビューオアシス」は、装用することで目に有害な紫外線B波を約99%以上、A波を約96%以上カットすることができます。
【2.UVカット機能がついたサングラスを使う】
コンタクトレンズと同様に着用するだけで約90%の紫外線をカットできます。紫外線透過率の数値が低いもの、紫外線カット率の高いものが、より紫外線のダメージを軽減できます。
ただし、角度によっては隙間から目に紫外線が届いてしまいます。コンタクトレンズと併用することが勧められます。
【3.日傘やつばの広い帽子を使う】
日光を遮ることで、目に届く紫外線の量を減らします。約90%の紫外線A波、B波を防ぐことができますが、サングラスと同じく角度によっては紫外線が目に届くため、注意が必要です。
コンタクトレンズとサングラス、日傘、帽子は、すべてあわせて使用することで最大の効果を発揮できます。難しい場合は、目に直接装用でき、角度に関わらず紫外線を防げるコンタクトレンズがおすすめです。
涙の成分に似た構造の保湿成分をレンズに配合。レンズと涙が一体化して、乾きにくく、快適な着け心地が味わえます。
【紫外線カット率】A波…約96%、B波…約99%
スマートシリコーン素材を使用した、高い酸素透過率と柔らかさを実現したレンズ。まるで裸眼のような感覚でつけていることができます。
【紫外線カット率】A波…約85%、B波…約96%
実は、目に入る紫外線は、肌が日焼けする原因にもなります。
日焼けは、体内にある色素細胞がメラニンという色素を作り出すことで、皮膚の色が変化する現象です。メラニン色素は、紫外線によって皮膚に悪影響が及ぶことを防ぐために作られます。
紫外線が原因で角膜に炎症が起こることは前述したとおりです。これによって体に悪影響が及ぶと判断した脳は、メラニン色素を作るためのホルモンを分泌するため、メラニン色素の量が増え、皮膚の色が黒くなります。これが、目が紫外線を受けることで日焼けをする仕組みです。
目の健康のためにはもちろんのこと、美容のためにも、目の紫外線対策はしっかりとしておくことが望ましいです。