朝起きた時、目頭や目尻に目やにがついていたという経験は誰もがあると思います。そのような時の目やには、たいてい黄色っぽい色をしています。しかし、時にいつもより白っぽいこともあります。
目やにの性質がいつもと異なる時、結膜(白目)が炎症を起こす「結膜炎」の可能性があります。目の充血やかゆみ、流涙などの症状が現れる病気です。原因によってウイルス性、アレルギー性、細菌性に分類され、ウイルスが原因である場合、白い目やにが見られます。
ウイルス性結膜炎には、以下の3種類があります。
アデノウイルスが原因で起こる病気です。一般的に「はやり目」と呼ばれます。感染力が強く、直接的な接触や、ものを介しての接触によって感染します。
アデノウイルスが原因で起こる病気です。特に、子どもの間で流行しやすいです。プールを介して感染することから、「プール熱」とも呼ばれます。のどの痛みや38~39度の発熱も併せて症状として現れます。
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが原因で起こる病気です。まぶたの腫れや異物感の他、結膜下出血のような出血の症状を伴います。
いずれの病気も、他人に移る可能性があります。そのため、目やにが白いことに気づいたら眼科クリニックで診察を受けましょう。ウイルス性だと診断されたならば外出を控え、他人に接触しないよう注意してください。
ウイルス性結膜炎を治療するための薬はなく、自然に治癒することを待つしかありません。治癒には通常1~2週間程度かかります。目を擦ると角膜が傷つき、別の感染症を発症する可能性があるため、かゆくても目を擦らないようにしてください。眼科で処方される点眼薬を使うことで、かゆみの症状を緩和することは可能です。
最後に、予防方法についてお話します。ウイルス性結膜炎の感染経路は2つあります。
1つは「接触感染」です。手指に触れる、感染者が触れたものを触ることでウイルスが移ります。感染者との接触 はできるだけ避けてください。また、感染者が触れたタオルやハンカチの使用もやめましょう。
もう1つの経路は「飛沫感染」です。接触感染より可能性は低いものの、咳やくしゃみで飛散した唾液を介して感染する恐れがあります。唾液は会話でも飛散します。こちらも感染者との接触を避けることで、感染のリスクを減らせます。
経路に関わらず、もっとも大切なのは目を清潔に保つことです。特に目に触れる時、手指にウイルスが付着していると、病気を発症するリスクを高めてしまいます。目を触ることは極力避け、どうしても必要な場合は事前に石鹸でしっかりと手を洗ってください。目やになどの付着物を取る場合、タオルやハンカチよりは使い捨てのティッシュペーパーを使うと、ウイルスが移りにくいです。