近年、コンタクトは大変身近な医療機器となりました。普段、何気なく使っている方は多いと思いますが、使い方を誤ったり、品質の悪い商品を使ったりすると、思いがけないトラブルになる危険性があります。
こちらでは、コンタクトが原因で起こるトラブルの1つ「角膜内皮障害」について解説します。
角膜とは、一般的に「黒目」と呼ばれている部分を指します。角膜があるからこそ、私達の目の中に光が入ってくるので、ものを認識することができるのです。
角膜は5つの層で構成されています。その一番内側にある組織が「角膜内皮(かくまくないひ)」です。この部分にある「角膜内皮細胞」に異常が起こっている状態を、総称して「角膜内皮障害」と言います。
角膜内皮障害にはいくつかの種類がありますが、代表的なのは「水疱性角膜症(すいほうせいかくまくしょう)」です。角膜内皮細胞が減少した結果、角膜がむくみ、水疱ができてしまいます。初期段階の自覚症状は角膜の混濁による視力の低下、その後水疱ができると、強い痛みを感じるようになります。
角膜内皮細胞は、一度減少すると二度と増えることはありません。自覚症状が現れ、眼科で検査をしてもらう頃には手遅れになっているケースが多く、最悪の場合、手術が必要になります。細胞が減少しないように注意して生活を送らなければなりません。
角膜内皮細胞の数が減少すること自体はそれほど問題ではありません。健康な人であっても、角膜内皮細胞は年齢とともに減少していくためです。しかし、コンタクトを使用している方は、使用していない方に比べて、細胞の減少が著しくなる傾向があります。
コンタクトは、瞳にレンズをかぶせることで視力を矯正しています。プラスチックを瞳の表面に乗せているのですから、裸眼時に比べて、瞳に酸素が触れにくくなることは想像できると思います。瞳に供給される酸素の量が不足すると、様々な問題が起こります。その1つが角膜内皮細胞の減少です。細胞の減少を抑えるため、瞳にしっかりと酸素が届くコンタクトを使用しましょう。
瞳への酸素の届きやすさをチェックする時に重要な指標が「酸素透過率」です。酸素透過率が高いレンズほど、瞳に酸素が触れやすく、目の健康を維持しやすいと言われます。酸素透過率は商品によって差があります。最低でも酸素透過率24.1%以上の商品を使いましょう。
“目の健康のために必要な酸素透過率の目安は24.1以上とされています”
引用元:コンタクトレンズの酸素透過率とは?「高い/低い」は何を示すのか?|アキュビュー
ソフトタイプよりはハードタイプのほうが、レンズが小さいため酸素透過率が高く、瞳に酸素が触れやすいです。ただし、ソフトタイプの中にも「ワンデーアキュビューオアシス」のように、高い酸素透過率を持つ商品もあります。
素材に次世代素材シリコーンハイドロゲルを使っています。素材自体が酸素をたくさん通すので、従来のコンタクトよりも酸素透過率が高く、目への負担が少ない商品です。酸素不足が原因の目のトラブルが不安な方にオススメします。
酸素透過率が高い他、摩擦による疲れ目や目の乾燥が起こりにくく、快適なつけ心地が外すまで長続きするのも、ワンデーアキュビューオアシスの魅力です。ストレスなくコンタクトを使いたい方にも向いています。
商品名 | ワンデーアキュビューオアシス |
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レンズタイプ | 近視・遠視 |
装用サイクル | 1日使い捨てタイプ |
内容量 | 30枚入り |
価格 | 3,240円(税込) |
BC(ベースカーブ) | 9.0mm/8.5mm |
DIA(直径) | 14.3mm |
PWR/D(度数) | +5.00D ~ -12.00D |
含水率 | 38% |
中心厚(厚さ) | 0.085mm |
酸素透過係数(DK値) | 103 |
酸素透過率(DK/t値) | 121 |
ソフトコンタクトレンズ分類 | グループI |
素材名 | senofilcon A |
その他 | UVカット機能あり |
最終更新日時点の情報です
使う商品と同じくらい重要なのは、使い方です。レンズを装用したまま寝たり、目の乾燥を放置したりすると、瞳に酸素が供給されにくく、細胞数の減少スピードを早める危険性があります。寝る時は必ずレンズを外すこと、目の乾燥を感じたら目薬で水分を補充すること、この2点は徹底してください。
また、細胞数に問題がないかを眼科で、調べてもらうことで、手術を受けなければならないほどに障害が悪化することを予防できる可能性があります。定期的に眼科に行くようにしましょう。
安全なコンタクトを正しく使って、目の健康を守ってください。
シリコーンハイドロゲルは、従来の素材に代わるコンタクトの新しい素材です。シリコーン成分を配合したことで、酸素が通りやすいレンズを製造することが可能になりました。レンズの酸素透過率が高いのが特長です。
コンタクトを使う場合、3ヶ月に1回のペースを目安に、眼科に行くことが推奨されています。定期的に眼科に行くことは、目の病気を早期に発見したり、視力の変化に気づいたりするために大切です。